北海道の農家では「牛乳豆腐」がソウルフードとも言える存在です。塩を付けて食べたり、冷ややっこのように醤油をかけて食べるだけでなく、ジンギスカンの具にもなるからです。実は、牛乳豆腐はミルクの甘さをほのかに残したあっさりとした味わいでありながら、タンパク質やカルシウムをしっかり摂ることができるスーパーフードです。
牛乳豆腐のレシピ
牛乳豆腐の作り方は、牛乳を鍋に入れて加熱し、そこに酢を入れ固めて作ります。時間もかからず、簡単に調理ができます。
豆腐というだけあって、豆腐のような見た目と食感(木綿豆腐に近い食感)です。ただ、どの程度の硬さにするかは作り手次第。食べる人の好みに合わせて作れます。
具体的には、牛乳を鍋に入れて火にかけ、中火以上で温めます。その際に、牛乳が温まって膨らんでくるのを抑えるために、木べらなどで静かに混ぜ続けます。そして、沸騰する直前に火を止めて、すぐに酢を投入します。なお、酢の量は牛乳1ℓに対して50cc~80㏄(牛乳の量の5~8%)が目安。米酢でもレモン汁でも構いません。
沸騰する寸前に火を止めて、湧いた牛乳に酢を一気に加えてへらでサッと混ぜると、すぐに水分と固形分が分離します。これをざるなどの上に広げたこし布(さらし布など)でこします。あるいは、キッチンペーパーでこします。
さらに、こし布をぎゅっと絞って水分と分離し、塊の固形分がとれます。これで牛乳豆腐のでき上がりです。
最もシンプルな食べ方は、お塩を少しつけて食べる方法。甘さが引き立って美味しいです。もちろん、冷ややっこのように醤油をかけるのも良し。さらに、ジンギスカンに入れてみたり、あるいは切ってサラダに入れたり、フライにするなど、様々な料理に活用できます。
カッテージチーズに似ていますが・・・
牛乳豆腐のレシピを見て、これはカッテージチーズではないかと思われた方もいらっしゃるでしょう。それは正解です。牛乳豆腐はほとんどカッテージチーズです。
カッテージチーズも、牛乳を温めたうえで、酢やレモンの絞り汁などを加えて作るからです。温めた牛乳に酸性の食材を加えることで、牛乳の中のたんぱく質を凝固させることにより、もっとも素朴な形のナチュラルチーズができあがります。
ただ、カッテージチーズを美味しく作るためには、牛乳豆腐と異なる温度管理が必要です。カッテージチーズを作る際には、牛乳豆腐のように牛乳を沸騰寸前まで温めるのではなく、50℃を超えた段階で火を止めて酢(あるいはレモン汁)を加えることが大事です。
というのも、60℃を超えると固形分がぼそぼそになり、クリーミーさが減ってくるからです。なので、60℃よりも低い温度のうちに火を止めると、滑らかな触感が残ります。ちなみに、滑らかさが求められる生クリームを作る際には、40℃程度で火を止めます(ただし、40℃では固形分の歩留まりが低く、採れるチーズの量が少なくってしまいます)。
このようにして作ったカッテージチーズは、サラダに加えていも良いですし、クラッカーなどに乗せるとオードブルにもなります。また、蜂蜜をかけるとちょっとしたデザートにもなります。
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