流通しない幻のグラスフェッドミルク
- MilkDesign
- 2022年4月9日
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更新日:2月9日
国産グラスフェッドミルクは探しても手に入らない希少な存在です。その背景には、酪農経営と流通の2つの理由が隠されています。

珍しい「放牧&牧草」酪農
日本人が酪農をイメージする時、心に浮かぶのは広い草原でゆっくりと草を食む牛の姿ですが、実はこれは珍しい光景なのです。牛乳パックやバター、チーズのパッケージに、放牧の絵が描かれていますので、その姿が当然と思われるのも無理はありません。しかし、日本での酪農の中心は、牛舎の中で飼って、トウモロコシなどの「穀物」を餌として与える方です。だからこそ、放牧して牧草で育てるみんなのイメージ通りの酪農は珍しいのです。
牛舎の中で牛を飼って穀物を餌として与える理由は、牛乳の生産効率が高いためです。牛舎の中で牛を飼えば狭い場所でも酪農が可能となります。また、穀物は牧草よりもカロリーが高く搾乳量が増加します。したがって、「牛舎のつなぎ飼い&穀物飼料」は、日本の狭い国土の中で大量の牛乳を生産するために最も優れた方式であり、日本では一般的な酪農のスタイルとなっています。逆に、あえて「放牧&牧草」で牛乳を生産している酪農家は少数派となっている結果として、グラスフェッドミルクに希少性があるのです。
消えるグラスフェッドミルク